ERiのトロント留学

ERiのトロント留学

カナダで保育士を目指すアラサーの軌跡。

職場で発砲事件があった話

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衝撃のタイトルですが事実です。

とあるお天気のいい金曜日の昼下がりに事件は起きました。

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私の職場のデイケアはトロントの公立高校の建物の一部を間借りしていて、デイケアの上の階で高校生が授業を受けています。そして日本の学校と同じように毎月Fire Drill (火災の避難訓練)と数ヶ月に一度Lockdown Drill (不審者侵入の避難訓練)が行われています。トロントは地震がほとんどないので、地震の避難訓練はありません。

木曜日はちょうどLockdown Drillの日でした。私はInfant RoomのECEなので赤ちゃん達、上は17ヶ月から一番年下でなんと2ヶ月の子供達計9人のお世話をしています。

不審者が学校に侵入した場合の手順としては、

  1. デイケアに通じるドアの鍵をかける。
  2. ドア、窓全ての鍵を締め、ガラス窓は全て目隠しして電気を消す。
  3. 子供達と一緒にお昼寝の部屋に移動し、姿勢を低くして静かに身を隠す。
  4. 電話やインターホンが鳴っても一切応答をしない。

しかしうちは赤ちゃんの部屋です。静かにしてと言ってもお腹が空いたら我慢できないし、ミルクが与えられるまでこの世の終わりかのように泣き叫びます。

2ヶ月の男の子は1時間に一度ミルクを欲しがるので、今回の避難訓練でも大騒ぎでした。他の先生達と「これがリアルのロックダウンだったら私たちだめだったよね〜」なんて言ってました。

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そして金曜日の午後、そろそろお外遊びの準備をしようか〜と言ってたところに突然の校内放送。

「今すぐロックダウンの態勢に入ってください!これは訓練ではありません。学校の目の前でシューティング事件が発生しました。」

日頃の訓練の甲斐あって先生たちは本当に速やかに手順通りやるべきことを終え、私たちは静かに身を潜めていました。

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そのあと5分ほどで、ロックダウン態勢をキープしたまま普段どおりの保育を行って良いとの連絡で、子供達はお部屋遊びを再開することになりました。

ただしドアは鍵をかけたまま、電気は消灯、インターホンや電話の応対も一切遮断。ニュースを聞いた親たちは心配でがんがんデイケアに電話をかけてくる。また、大人用のトイレは高校側の建物にしかないので、先生達は保育室にある小さな子供用のトイレ(しかも壁なし丸見え)で用を足さざるを得ませんでした。

事件の真相は、高校生2人が学校の目の前で口論になり撃ち合いに発展して、1人が重傷を負ったあと自身の高校へ駆け込み、助けを求めたってことだったらしいです。

ロックダウンから70分ほどで厳戒態勢の解除があり、親たちは真っ青な顔をして一斉にお迎えに来ました。

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外は警察がバリケードしていて公共交通機関も周辺のサービスをストップしていたし、親たちは相当心配だったと思います。

なぜカナダの高校生が銃を持っていたのか、なぜ学校に持ってきてたのか、たくさん疑問はありますが、それよりデイケアの子供達の安全を確保するために身を引き締め直さないとと思いました。日常のちょっとしたミスから起こる大きな怪我のリスク、天災や事故等の外的要因からのリスク。。

普段からあらゆる想定をしておかないといざとなったときに対応できない。

みなさん、どの国に住んでいても、世の中は思ったより怪我や死の可能性があちこちにあるよ。