5週間に及んだストライキと幼稚園実習
10月の終わりから突然学校が閉鎖されました。どうやらオンタリオ州の公立カレッジ全体でパートタイム講師によるストライキが行われた模様。交渉がまとまるまで学校閉鎖、つまり全ての授業がキャンセルされるとのことでした。
連日のようにニュースやfacebookの学生グループが"私たちに勉強させろ"とか、"学校がないなんてとてもストレスフルだ"などと騒いでおりましたが、私は内心とってもウヒョウヒョでした。ストライキが始まったのがちょうどテスト週間と丸かぶりしていたのです。どう喜ばずにいられますか?うひょ
そのまま教授たちとも一切コンタクトが取れないまま3週間、4週間と経ち、ついに5週間のストライキののち学校が再開されました。
通常のカレッジ生であればこの5週間の間、授業も宿題もない、何もない時間を過ごしていたのだと思いますが、私は違いました。ちょうどストライキ2週目からチャイルドケアでの実習が入っていたのです・・・!
ストライキを起こしているのはカレッジの教授陣、つまり実習先の幼稚園教諭たちは関係ない別機関の人々でありますので、学校が休みだろうが何だろうが実習はスケジュール通りに行われたのでありました。
うち、日本では私立の幼稚園にしか通ったことがないので、実習先のデイケア(保育園みたいなとこ)では相当ショックを受けました。ちなみに記念すべきはじめての実習グループはpreschoolers(2歳半~4歳)の子供たち。
私が子供のとき通っていた幼稚園では、先生が「漢字かるたをするよー!」って言って先生が読み上げた漢字の札をクラスみんなで取るというゲームをした記憶があるんですが、こちらではクラス全体で何かをするということはほとんどありませんでした。てか先生の指示によって子どもが何かをさせられるということがほぼ無かったです。
まず朝、教室に入ったら大量のおもちゃがあって子どもたちは好きなもので自由に遊びます。(日本でも保育園っておもちゃ置いてあるんかな?)
んで10時から1時間ほどお外遊びして(雪が降ろうが気温マイナスだろうが、外で遊びます)、給食食べて、お昼寝を1時間半ほど。起きたら室内で少し遊んで、またお外遊び1時間。16時ぐらいに部屋戻ってお迎えまでまた部屋で遊ぶ。このルーティーンです。
教室にはアクティビティテーブルと呼ばれるテーブルが4つほどあり、毎日テーマごとにセッティングされます。1つはsensory tableと言って触ったり匂ったりをしながら遊び学ぶ場所。ここはよく香りと色付きの粘土やスライム(先生が小麦粉を使って手作りします)が置かれていました。
1つはwater tableと言って、水の入った大きな箱の中でおもちゃを浮かべて遊びます。
↑例(実際のセンターではありません)
1つはart table。画用紙やペン、のり、はさみなどが置いてあり、工作をします。
1つはnumber & alphabet table。数字とかアルファベットのブロックやカードがセッティングされています。
また教室内には他にもblock centre(その名の通りブロック遊びする場所)、dramatic centre(ごっこ遊びする場所。おもちゃのキッチン等がある)
↑例(実際のセンターではありません)
dinasor area(いろんな恐竜のおもちゃがあって、恐竜の足跡もあるよ)、さらにloftでは赤ちゃんのお人形がありミルクをあげたりお世話をする場所(白人から黒人などいろんなスキンカラーの人形がいる)等々があり、それぞれが自由に遊ぶことができます。
実習ではactivity tableやplay areaをセッティングする課題がありました。
そういえば、先生に「のりとボタンを使ったart tableをセットアップして」と頼まれたのでセッティングし、さらにデコレーション兼サンプルとして1枚のカードにボタンをいい感じに貼り付けて、テーブル中央に飾ったんです。そしたら注意されました。
「サンプルは必要ない。これを見た子供たちが、この通りにしなきゃいけないんだと思って真似するかもしれない。そしたら子ども自身の発想力がなくなる。のりの使い方も、こちらが教えるんじゃなくて、子供が自分で触ってみて”これ、ねばねばしてる!もしかしたら何かをくっつけれるかも!”と自らで使い方を発見させることが重要。」というようなことを言われました。
だから各テーブルはセッティングするだけして、あとは子どもが勝手に遊ぶだけ。シンプルやけどこれが難しかったんだなあ~。
あと自分で考案したアクティビティとしては、アルファベットの表にマッチする文字を貼り付けるやつとか、お医者さんごっこセットを作って遊んだりしました。お医者さんのやつはものすごい大人気で、時間かけて作った甲斐があった~!
お医者さんセット
普通のカチューシャにリボンを巻き付けて・・・
端っこに大きなボタンをつけて聴診器の完成!
ばんそこはラベルシールを使用。あとピルと注射器。ただの紙の注射器やのに、見た瞬間大泣きする男の子も、、笑
問診票は髪の色や瞳の色をいろんな人種に対応するよう塗り分けました。
これ、使い方教えてないのに、子供たちがこのカードを持ちながら「どこが痛いですか?」って患者役の子に聞いててすごいびっくりした!
プリスクールクラスは全部で20人。月齢別に3つのグループに分かれていて、①2歳半~3歳、②3歳~3歳半、③3歳半~4歳のうち、私は一番小さい子たちのグループ担当になりました。
2歳半~3歳の子たち、日本人なら結構言葉も達者でいっぱい話してくれる子も多いと思います。でもここカナダは親がネイティブじゃなかったり家庭では違う言語を話すバイリンガル、トライリンガルの子どもたちも多く、言葉の進行がやや遅めの子が多い気がしました。
めっちゃうちと遊んでくれる2歳半のイスラエルの子がいて、その子は”Eri----!"って言いながら机ばんばんしたり、手を引っ張ったり、ボディランゲージで一生懸命伝えようとしてて超かわいかった。
虫や動物、恐竜の名前なども子供に教えてもらいながら、たくさん勉強させてもらいました。
↓日記ww
絵本好きの子が多くて、読んで読んでといっぱい持ってきてくれるんやけど、こんなヘンテコ英語のおばちゃんでいいのかと思いながら一生懸命読みました。
7週間の実習でしたが、最後の日には全員がわあーーー!っと走ってきてビッグハグをくれて、ああなんて素晴らしい職業なんだと思いました。ありがとう。
完。